令和4年6月12日 庫裏の耐震工事完成落慶記念法要を執り行いました 

令和4年6月12日、庫裏の耐震工事完成の落慶記念法要を執り行いました。ここ2年程、法要は規模を縮小しての開催であり、そんな中で待ち望んでいた皆様とお顔を合わせての法要。天候にも恵まれ素晴らしい一日となりました。

ご参加いただいたのは総代・実行委員会、施工関係者、開基・馬場美濃守信房公の末裔・縁者、教区寺院、法縁寺院などです。

多くの僧侶での法要は本当に久しぶりでしたが、古来より伝わる作法の大切さ、その力をひしひしと感じました。
私たちの儀礼は「ことばに言い表せないものを形にする」と言われております。感じ方は人それぞれで良く、正解はありません。この懐の広さが仏さまの教えの良さとも言えます。
ですが、信房公の末裔・縁者、信房公を慕う地元の皆様と共に法要を執り行うことができたこと、古来から受け継がれてきた作法の美しさ、皆様とのご縁の尊さを改めて感じることができた事は、この上ない喜びでありました。心より感謝申し上げます。

小和田哲男先生のご講演も、DVDの放映という形で行いました。小和田先生は、歴史学者であり馬場信房公の末裔でもあります。馬場氏の成り立ちから信房公が亡くなるまでの歴史を当時の勢力図や地理を交えながら、臨場感たっぷりにご解説いただきました。

信房公は、武田家の名だたる武将の中でも特に信頼されていた事、武田家の名誉を守るため、自分の命をかけて主君に進言したこともある「大変気骨のある武将だった」事など、人柄が偲ばれるエピソードも頂きました。
印象的だったのは、戦国時代の武将にとって神仏はすがるべきもので、現代の私たちの感覚以上に心から神仏に救いを求めていたということです。寺院は精神的な拠り所であり、亡くなった後に菩提を弔ってもらう以上の意味を持っていました。
また、地域にとっても今以上に寺院は精神的な結びつきを強める場所だったのです。

小和田先生のご講演にはとても感銘を受けました。
現代でも広く地域に慕われる、信房公が建立されたお寺を護らせていただいていることの気持ちを、新たにしていただいたと感じております。
これからもこの庫裡、信房公の後世に残る人徳に恥じることのないよう、自元寺の在り方を皆様と共に作り上げて参れればと考えております。引き続きのお力添え、よろしくお願い申し上げます。

最後に、皆様に多大なお力添えをいただいた庫裏の耐震補強工事とその記念法要を、皆様とお顔を合わせて開催できたことを心より嬉しく感じております。「地域に開かれた、地域の人が集うお寺」を目指し、気持ちを新たに精進してまいります。

【講演】信房公菩提寺・自元寺開創450年記念講演「戦国武将 馬場美濃守信房」

小和田哲男先生のご講演は、こちらのyoutubeチャンネルからもご覧いただけます。

実行委員会、内覧研修会を開催いたしました 

令和4年5月24日、落慶記念事業実行委員会、第7回目の会議を開催しました
内容は6月12日に開催される、記念式典と落慶法要に向けての準備です。当日の受付や駐車場の諸準備、檀信徒はじめ、関係者へのお声掛け、実行委員会による清掃活動の分担など、多岐にわたる項目の確認を行いました。改めて、皆様のご尽力のもとにこの式典が行われることを実感致しました。

続いて行われましたのが庫裡の内覧です。
活用方法など、さまざまな意見が交わされました。自由度が高く使いやすくなった庫裏を実際にご覧いただき、皆様にも具体的な利用のイメージが膨らんだように感じました。
実行委員の皆様方は、職業もお立場も様々な背景をお持ちの方です。色々な視点から出されるご意見を伺うと、新しい活用方法などの発見もありました。やはり、色々な方の意見を伺うのは楽しいことですね。
新しくなった庫裏が多様な人と人とをゆるやかに繋げ、白州がより良い地域となれるように、このような関係性をより深めていきたいと強く願うとともに、そこに貢献できる寺院を皆さんと築いていきたいと念じます。

その後は精進料理をいただきながら、久しぶりの懇親を楽しみました。感染症予防に最大限に配慮し、距離を開けマスクをつけながらの会食です。感染症流行以前と比べると静かな時間となりましたが、皆様に食事をお楽しみいただけたようです。素材を活かす精進料理のおいしさとその背景にもふれ、充実した時間をお過ごしいただけました。

精進料理は住職の弟・元道師が調理いたしました。
おいしさはもちろんですが、季節のものを使い、材料を使いきれるような買い出し、献立と、精進料理の軸がぶれないように、時間をかけて準備を行いました。
精進料理とは、肉を使わない菜食主義の食事とは意味合いが少し異なります。特に曹洞宗では食事を修行の一つととらえ専門の役職を作るほどに重要視しているのです。
様々な決まりもありますが、重視されるのは「淡味」これはただ薄味に調理することではありません。素材の持ち味を最大限生かす味付けと、素材にふさわしい調理方法もそう呼ぶことがあります。
無理なく手に入る旬の素材を無駄のないよう使い切り、食べる相手のことを思いながら手間暇は惜しみません。今回の試食会のようなハレの日にはふさわしい献立を考えますが、派手に飾り立てることはしません。
そのように作られた今回の献立は、皆様に命そのままの味わいの豊かさと、命を頂く尊さを感じていただけたのではないでしょうか。

さて、6月12日の式典まで日が迫ってまいりました。万端準備を進めて参ります。参加申し込みが必要です。詳細はリンク先をご覧いただき、皆様奮ってご参加下さい!

参考 https://www.sotozen-net.or.jp/zen/cooking/taste

令和4年6月12日 庫裡 落慶法要のご案内 

令和4年6月12日、庫裏の耐震改修工事落慶法要を開催いたします。今回の法要と講演会は一般の皆様にもご参加いただけることになりました。馬場信房公にご関係のある方にもぜひご来山いただき、ご縁が結べましたら何よりの幸いです。申し込みが必要になりますので下記よりお申し込みください。

午前には、静岡大学名誉教授・小和田哲男先生のご講演をいただきます。先生は戦国時代研究の第一人者であり、開基・馬場信房公のご子孫でもあります。来山予定でしたが、コロナ禍も考慮し、自元寺に関してのご講演を録画したものを放映予定です。三代にわたり武田氏に仕えた負け知らずの武将の顔や、現代に生きる私たちにも参考になるエピソードを絡めてくださるとお聞きしております。歴史がお好きな方にもお聴きいただきたい講演です。

午後は庫裡落慶法要と、開基・馬場信房公の供養法要をお勤めいたします。

【庫裡耐震改修工事 落慶法要日程】

落慶法要(予定) 10時受付

10時半~        ご講演(DVD放映)

                             静岡大学名誉教授 小和田哲男先生・馬場信房公について

13時半~        落慶法要・開基供養法要

15時                解散

庫裡の耐震補強工事は設計を甲府市のNOA環境設計、施工を同市・株式会社てづかに依頼し、この計画が京都大学建築100周年記念コンペで「銀賞」を受賞いたしました。檀信徒の皆様、地域の皆様をはじめ多くの皆さまによって守られてきた寺院の法灯を、これからの時代に開いていくコンセプトが評価されたのです。

地域にあった形に柔軟に変化しながら、これからも歴史を重ねていく、自元寺のありようを表したかのような、素晴らしい形となりました。

この庫裏の耐震補強工事を行ったことで「地域に開かれた寺院」がよりはっきりと見えるようになりました。その落慶法要を皆様と直接お会いして行えることに大きな意義を感じております。

この2年、工夫を凝らして皆様との繋がりを模索し続けてまいりましたが、やはり対面での交流はまた格別です。安心して集える式典になりますよう、準備を整えて参ります。

【お問い合わせ・お申込み】

※申込される方は、メール・電話・FAXにてお名前・住所・連絡先・参加人数・弁当申込の有無・駐車が必要かをお伝えください。

担当総代   白砂 勇(090-9642-3942)

自元寺住所    北杜市白州町白須1364

電話     0551-35-2245(Fax兼)

HP     https://jigen-ji.jp/

メール      jigrnji1570@outlook.jp

【実行委員会・内覧研修会のお知らせ】

また、法要に先立ちまして、総代・実行委員会の皆さま向けの内覧研修を開催いたします。新しくなった庫裏をご覧いただき、その後精進料理をご試食いただく研修会です。

【実行委員会・内覧研修会 日程】

          令和4年5月24日(火) 15時~  会議

                                                    16時~  内覧会引き続き精進料理試食

                                                    18時  解散

後日、檀信徒の皆様向けの内覧研修会も開催予定です。こちらも予定が決まり次第お知らせいたします。

庫裡落慶法要・自元寺開創450年の記念式典のお知らせ 

令和4年6月12日、自元寺開創450年の記念式典を執り行います。これらは令和2年に執り行う予定でしたが、思いもよらぬ感染症の広がりを受け、2年越しの開催となりました。当日は以下の3つを執り行わせていただきます。

①開創450年記念法要
②小和田哲男先生講演会
③庫裏耐震補強工事落慶式法要
会場 白砂山自元寺(北杜市白州町白須 1364)
【電話】0551-35-2245(FAX兼用)  【e-mail】jigenji1570@outlook.jp

詳しいタイムテーブルなど詳細は総代様と協議後、改めてお知らせをいたします。現段階では縮小開催ではなく、檀家の皆様にご参加いただけますように準備を進めております。コロナの状況に応じて規模や開催方法などは変更される可能性がありますが、皆様と今度こそは集まれるのではないかという期待を込めて、ご報告をいたしました。

【行事の詳細につきまして】

①開創450年記念法要
自元寺開創450周年の法要は、令和2年6月27日に総代様と寺院関係者のみで行いましたが、今回皆様にお集まりいただくにあたり、改めて法要を行う予定です。どのように行うか現在検討中ですので続報をお待ちください。

②小和田哲男先生講演会
小和田哲男先生は自元寺開基である馬場信房公のご子孫でいらっしゃいます。歴史学者である小和田先生は特に戦国時代史を研究されており、わかりやすい解説が人気で、NHK「歴史秘話ヒストリア」や「知恵泉」などにもご出演されました。歴史をなぞるだけでなく、史実を基に現代を生きる私たちへのアドバイスも寄せて下さる予定です。

③庫裏耐震補強工事落慶式法要
庫裏の耐震補強工事が無事終了いたしました。式典に合わせまして落慶式法要を行います。羽村祐毅さんに設計をいただき、今よりもさらに「地域の人が集まりやすく」「立ち寄りやすい」開かれた庫裏となりました。お寺らしい格式を保ったまま建物の補強も行いましたので、安心してお過ごしいただけます。ぜひ皆様にご覧いただきたいと思います。

この一大行事に向け、総代の皆様にも、青年部会の皆様にも、自元寺とご縁のある多くの方々からの大きなご尽力を頂いております。良い行事になりますよう皆様のお力添えをいただきながら準備を進めてまいります。

3月より活版印刷の御朱印を授与いたします 

こちらの記事でも予告しておりました、新しい御朱印のお知らせです。

今年3月、耐震改修工事を終える庫裡完成にあわせまして、開基・馬場美濃守信房公の御朱印を、100枚限定にて授与を開始させていただきます。御朱印は写経を寺社におさめた際、その証として授与されたのが始まりとされております。もとは「修行の証」であった御朱印の精神性を大切に、ご参拝いただけますと幸いです。

※2月下旬に、詳細をお知らせいたします。

新しい御朱印は、昔懐かしい「活版印刷」で作られています。活版印刷とは、印刷する部分が凸状に盛り上がった金属版にインクを付け、ギュッと押さえて印刷をする方法です。巨大なハンコをイメージしていただくと分かりやすいのではないでしょうか。古くは15世紀のヨーロッパで発明され、明治の初めころに日本でも広く普及しました。

一枚一枚が手作業で仕上げられるため、一つとして同じものがありません。昔ながらの方法ゆえの独特の印刷のかすれや文字の凹凸が味わい深く、近年その良さが見直されているそうです。

自元寺の御朱印は、「アラベール」用紙に、住職がしたためた字と、坐禅の境地をあらわす王三昧、自元禅寺の印を押しています。アラベールは昔から人気の紙で、特にデザイナーの方々が好まれます。 画用紙のような親しみやすい風合いで、紙そのものの手触り、質感が人気です。

空押しで寺紋の花菱も入れていただきました。厚みのある柔らかな手触りがなんとも愛おしく、思わず触れたくなります。

筆文字と活版印刷の相性がとても良く、洒落た御朱印になりました。3回もの印刷を重ねた、手の込んだ作品です。ぜひたくさんの方にご覧いただければと思います。

さて、この御朱印をつくって下さったのは、「活版印刷室 HACHIYA」さんです。北杜市にお住いのご店主は、大変多才な方です。オンラインをメインに活版印刷を営まれながら、ファイナンシャルプランナーも取得されそれを活かすべく正しいお金の考え方のワークショップを主催されたり、寺カフェでも講義や運営をしてくださっています。とても興味深く楽しい教室を開催してくださいました。

また、お人柄も素晴らしく、相手のことを慮る、その人のことを第一とするやさしさと、奉仕のこころを併せ持った素晴らしい御仁です。物静かで聡明な雰囲気で、静かな時間を一緒に過ごしたくなります。自元寺での寺カフェワークショップが再開された際には、ぜひご店主にも会いにいらしてください。

HACHIYAさんのホームページも訪れてみてください。活版印刷の良さと愛情が伝わってきます。FBには、自元寺の御朱印の制作過程も掲載されておりますので、御朱印の実物をご覧になりながら「こうやって作られたんだなあ。」と想いを馳せるのも楽しいと思いますよ。

八やさんFacebookページ https://www.facebook.com/hachiyaprint

ホームページ https://hachiyaprint.thebase.in/

京都大学建築学科 100周年記念コンペ【銀賞】を受賞しました!

誰もが立ち寄りやすいお寺のために~耐震補強工事日記~【2】

昨年より始まった庫裏(くり)の耐震補強工事、順調に進んでおります。現在、自元寺の庫裡は床や耐力壁が作られ、新しい骨組みが見えて参りました。昔からある骨組みに新しいものが足され、完成に向けて少しづつ姿を変えています。

さて、自元寺の設計が、「京都大学建築学科 100周年記念コンペ」で【銀賞】を受賞いたしました。大変明るく嬉しいニュースで、私共も誇らしく感じております。

コンペのテーマは「これからの街の遺伝子」

その時代ごと、人々の営みによって街並みは変わっていきます。無秩序に変わるのではなくそこにある建物の「遺伝子」がその地域に根ざしポジティブな変化をもたらせたら素晴らしいとは思いませんか。

シンプルに言い換えると、「その建築がきっかけで地域がより良くなること」

これはこの工事に寄せた私たちの願いでもあります。

「伽藍の胸襟を開く」が発表のコンセプトです。

今回の耐震補強工事では、庫裏をより人が集まりやすいよう工夫を凝らしました。座敷もより機能的になり、さらに居心地の良い空間になります。スロープも設けますので、車いすの方もベビーカーの方も入りやすくなります。

広い縁側もしつらえ、立ち寄った皆さんがちょっと腰掛けて話すこともできるようにしました。

もちろん、お寺としての格式を保ったまま建物の補強も行い、本堂をより格調高く感じていただけるよう、庫裏にあった唐破風の移築も行いました。

寺院は信仰の場であることはもちろんですが、寺子屋という教育の場になったり、街の人の相談所になったりと、時代ごとに人が集う場所として地域と共に生きてきました。自元寺は、これからも人と人とのつながりを作れる場でありたいと考えています。

設計した羽村祐毅さんはわたしの高校時代の同級生で、大人になってからも盃を酌み交わしてきた仲です。

折に触れ、わたしの思いやこの地域の在り方なども語り合ってきました。今回は建築士としてこのプロジェクトに関わっていただく中、6名の総代さんで組織されている「建築部会」はじめ、多くの方の声も反映しながら、地域やお寺の背景まで汲み取って、今回の設計を形にしてくださいました。

私たちとのこの地域にあり続ける自元寺の歴史も含め評価いただいたと感じ、心から嬉しく思います。

コンペのWebサイトにはこうあります。

「100年後の街を豊かにするような、遺伝子を残していくことは可能です。」

100年後に白州がどのようになっているかは誰にもわかりません。ですが、451年もの間そうであったように、これからも地域にあり続け、地域の人の心にも「自元寺」があり続けられるよう、自元寺も変化をしていきます。

京都大学建築学科100周年記念コンペ

http://100th-compe.archi.kyoto-u.ac.jp/

【後編】自元寺のルーツを解き明かす! 古の時代より続く信仰の歴史

開創450年記念誌部会の活動が素晴らしい成果に繋がりそうです。

現在曹洞宗である自元寺は以前は山岳信仰寺院で、さらに山深い場所にあったと伝えられております。歴史に埋もれてしまったその地が、記念誌部会の現地調査にて明らかとなったことを前回お伝えしました。

この情報を青壮年部と共有したところ、さらに古い歴史が明らかになりました。青壮年部会、南アルプスユネスコエコパーク 地域連絡会会長で総代でもある古屋賢仁さん、プロの登山家・花谷泰広さんの御力も借り、明らかになったその歴史をご報告致します。

果たして「自元寺」はどんな歴史を辿ってきた寺院だったのでしょうか?
古い地図や口伝、甲斐駒ヶ岳の山岳信仰などの調査結果をまとめました。

【自元寺のルーツ】

①参拝ルートと信仰について
・自元寺は、須玉の正覚寺、清泰寺と縁があった
・開山の祖・小尾権三郎は、横手駒ヶ岳神社から登り開山を果たした。
・信仰の経緯は、山岳信仰→真言宗→曹洞宗となり、山岳信仰時は太陽を、真言宗以降は阿弥陀如来を崇めている
・冬至の日没箇所が甲斐駒ヶ岳であるため、鎌倉以前から信仰の歴史がある可能性がある
・聖徳太子、蘇我入鹿、荻生徂徠、仏教伝来から、馬の産地、馬に関わる伝説も繋がりがある
・横手で地元の歴史研究をしているグループがあり、ルーツ解明につながるかもしれない
・縄文文化が栄えた地域であることも考慮したい

②正確な史跡の位置
・信州街道、鎌倉街道筋という可能性が濃厚
・先日調査を行った地域の付近は有力候補
・竹宇方面に石柱が残っており、甲斐駒ヶ岳への修験道との関わりが推察される

③資料等
・明治時代の絵地図も参考になる
・郷土史研究家の資料を元に、花谷さんが当時のルートを実際に歩き、石碑などを確認

上記はほんの一部です。ロマンあふれる話が盛りだくさんで、一同大いに盛り上がりました。

記念誌部会の活動が青壮年部をはじめ、古屋さん、花谷さん、さらには地域の郷土史研究会との協働につながり、古の歴史をひも解いていく現場に立ち会えていることを嬉しく思います。人と人とのつながりというのは、こんなに大きな力を産むものなのですね。

ここまでの調査は皆様のご協力あって実現できたことです。改めて感謝申し上げます。また、今後も花谷さんにご協力頂けるとのこと。ご尽力に感謝し調査・打合せを続けます。続報を楽しみにお待ちください

【花谷泰広さんのご紹介】
北杜市在住、北杜市ふるさと親善大使をつとめていらっしゃる登山家・花谷泰広さんは、1976年兵庫県生まれ。幼少から登山に親しみ、数々の名峰を踏破。2012年には、優れた登山家に贈られるピレオドール賞を受賞。2017年より甲斐駒ヶ岳黒戸尾根の七丈小屋を運営されるなど、北杜市でも幅広く活動されています。

【公式サイト】HANATANI.NET
https://www.hanatani.net/

【前編】ついに謎が明らかに!?自元寺450年の時を辿る歴史の旅

去る5月1日、山梨県立博物館開館15周年記念特別展「生誕500年 武田信玄の生涯」を記念誌部会に所属する総代さま4名と拝見してまりました。自元寺開基様であり、武田家家臣であった信房公への学びを深める為の来訪でした。

この来訪には「自元寺のルーツを辿る」という目的がありました。

自元寺は1843年に現在の地へ移転いたしました。それ以前は白須坊田にあり、1570年に馬場美濃守信房公によって建立されました。また、信房公が白須坊田に移転し建立される以前は真言宗の山岳信仰寺院だったといわれ、さらに山深い場所にあったと伝えられております。

ですが真言宗だったころの寺院は、現在ではどこにあったのか分からなくなっておりました。先代・28世秀道方丈がその地を訪ねたことまではわかっておりましたが、詳細な位置までは記録に残っておりませんでした。先代住職に、言い伝えられていた場所を案内してくださった檀信徒の方も先日もお亡くなりになり、自元寺のルーツを辿る手がかりがほとんど無くなっていたのです。

何とか場所を探そうと模索しておりました。手がかりは、以前お寺があったとされる場所に残された『庫裡平(くりだいら)・堂平(どうだいら)・鐘撞堂(かねつきどう)』という地名。そして、地域を知る皆さまの記憶と記録でした。

総代さんがネットワークを駆使して下さり、たどり着いたのが「くりだいら」という土地でした。この地名は地図にはのっておりません。この地名を使っていたのは、何と地元の猟友会の方々でした。

猟友会では猟の事故がおきないよう、互いの場所を常に把握しておくため、無線で定期的に自分の位置を知らせます。その際、細かい場所まで音だけでわかるように、小字や俗称を使うことがあるそうです。猟をする人同士の口伝で、それもただ音でしか伝わらないため、その方も「庫裡平」ではなく、「栗平(栗の木がある平らな場所)」と思っていたそうです。

そして4月11日。猟友会の先導の元、総代・地元郷土史研究会・住職、総勢12名で訪ね「おそらく元はここにあったのだろう」と推察できる場所が、ついに見つかりました。断片的な情報が一つになり、歴史が明らかになった瞬間でした。

また、青壮年部にもこの情報を共有したところそれぞれが動いて下さり、地域の歴史やまたこの地に明るい方を紹介してくださり、さらに詳しい歴史がひも解かれていきました。

山岳信仰から連なる歴史、何と聖徳太子の時代からつながりがあったのかもしれないそうなのです。このことを教えてくださった登山家の「花谷泰広」氏との出会い、そこで分かったことなどは、次回に詳しくお伝えしていきたいと思います。

5月13日には記念誌部会の活動が行われました。皆さまの知恵・地域のつながりが素晴らしい結果につながったこの活動、これからも楽しみです。

次回「自元寺青壮年部と日本屈指の登山家との出会いが、隠された歴史を解き明かす!」

誰もが立ち寄りやすいお寺のために~耐震補強工事日記~【1】

構想より6年を経て、自元寺庫裡(くり)の耐震改修工事がスタートしました。
以前よりお寺を皆が安心して集まれる場所にしたいという想いを形にすることができ嬉しく思います。


工事にあたっては檀家総代会より建築部会を立ち上げ、皆様からさまざまなご意見をいただきました。住職の想いと皆様のアイディアや声、さまざまなものが加わり、本当に素晴らしい図面が仕上がりました。ご協力に感謝申し上げます。


甲府市・NOA環境設計所長の「羽村弘氏・祐毅氏」が私たちの想いを設計にして下さいました。両氏は日本の風土気候に合った建築を得意とし、県の建築賞や近年では東北建築賞を受賞され、ますますのご活躍が期待されております。
今後は、建築士、施行会社、大工さん、委員長(建築部会長)、耐震構造設計の専門家・萬田隆先生など、携わっていただいた方のご紹介やコラムを掲載予定です。この工事にかかわってくださる皆様の想いをぜひご覧いただき、背景にも思いをはせていただければと思います。

また庫裡の工事状況を、写真家「砺波周平氏」に撮影していただいております。砺波周平氏は『dancyu』や『暮しの手帖』の表紙撮影、七賢さんのプロモーションビデオ撮影など、幅広くご活躍されています。砺波周平氏は八ヶ岳山麓にお住いで、インスタグラムでも日々の生活を発信なさっています。砺波氏の目を通すと見慣れた北杜市の風景がこんなにも美しく見えるのか!と改めてこの土地の良さを感じられる、素晴らしい写真家です。
そんな砺波周平氏に、庫裡の完成までの過程を撮影していただき、お寺の想い、皆さまの想い、地域への想いを深めていければ幸いです。


東日本大震災から10年を迎えました。「お寺の将来を踏まえた誰もが立ち寄りやすいお寺づくり」のためには安心して集える場所であることが大切だと感じております。震災時、東北地方のあるお寺には避難所ではないのに近隣の人々が身を寄せたそうです。「普段からお寺とのつながりを強く感じられる地域柄であったこと」「人が集まることが多く、そのための設備があった」ことがその理由だったそうです。また避難した人も普段からお寺との付き合いをされていた方々だったため、混乱も少なく自然と支えあいができたといわれています。
この話を耳にした時、地域柄がここ白州と似ていると感じていると感じました。お寺が地域に根差し、皆ごく当たり前のように人生の節目にお寺に訪れてくださいます。地域の皆様がお寺を支え、私たち寺院も地域の一員であると強く感じております。


本堂の耐震工事は、震災の6年前・平成15年に行われました。父である先代住職は「いつか大きな災害が起きるかもしれない、その時に備えなければ。」と考え、体育館などの公的な避難所はもちろん重要ですが、その他にも温かい畳の上で傷ついた人がほっとできるような受け入れ態勢を作りたいという想いがあったそうです。先代住職は震災前に亡くなりましたが、その想いも継いでいきたいと考えております。


現代社会ではお寺の在り方が問われています。自元寺の目指す「おらが寺」の想いに賛同してくださる皆様と共に、より良い姿をつくりあげていきたいと考えております。

参考:大災害では寺院は何ができたのか
http://www.iisr.jp/journal/journal2017/P221-P236.pdf

NOA環境設計様 受賞作品概要
https://www.pref.yamanashi.jp/kenchikujutaku/documents/08th-h9-.pdf 1997年
http://tohoku.aij.or.jp/wp-content/uploads/2019/03/kennchikusyo39.pdf 2019年

砺波周平様
http://tonami-s.com/
ttps://www.instagram.com/tonamishuhei/