自元寺のご本尊様【阿弥陀如来(あみだにょらい)】の話

今回は、自元寺のご本尊様【阿弥陀如来(あみだにょらい)】についてお話いたします。

本堂にいらしたことのある方はきっとお姿もご覧になっていることでしょう。本堂中央にご本尊である阿弥陀如来、左脇侍に【観音菩薩(かんのんぼさつ)】右脇侍に【勢至菩薩(せいしぼさつ)】がおられます。

実は曹洞宗のご本尊は【釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)】と定められております。ですが、自元寺でははるか昔に真言宗のお寺であったころからのご本尊様を、今も変わらず大切にお守り申し上げております。宗派と異なるご本尊様がお祀りされていることも、日本の仏教らしい寛容さだなと感じます。お寺巡りがご趣味の方は、宗派とご本尊様の関係を調べてみるとそのお寺の由来など、新しい発見があるかもしれません。

<阿弥陀如来とはどのような仏様なのでしょうか>

阿弥陀如来は「西方極楽浄土」にいらっしゃる仏様です。

西方極楽浄土はいわゆる「極楽」。はるか西の彼方にあり、まったく苦しみのない安楽な理想の世界です。ここは来世に行けるところで、阿弥陀様は現世で悩み苦しむすべての人を救って西方極楽浄土に迎えてくださるといわれています。
本来成仏できるのは人間だけといわれているのですが、阿弥陀様は動物も含めた全ての生きとし生けるものを浄土に導く懐の深い仏様です。

自元寺が地域に開かれたお寺を目指しておりますのも「全ての悩める人や苦しむ人をもれなく救う」阿弥陀様の教えを伝える、草の根運動かもしれないなと感じます。

<お寺参りのご作法も振り返ってみましょう>

お墓参りやお寺の法要などでいらした際も、まずご本尊様に合掌しお参りをしましょう。お寺の中心はご本尊様です。ご先祖様も私たちもご本尊様にお守りいただいております。そして、お参りするときは阿弥陀如来(あみだにょらい)の「真言」を唱えるとされています。

『おん あみりた ていせい からうん』

これは阿弥陀様そのものを表す言葉で「限りない光で闇を照らし(無量光)全ての生きとし生けるものを救う」意味があり、名をお呼びすることで苦しみや迷いから救われると考えられております。阿弥陀如来が広く信仰を集めたのは戦乱・飢饉の時代。明日の命も知れない中で、せめて来世で救われたい切な願いがあったといわれています。

今この時代に生きる私たちは、日々の心の揺れに悩まされる事の方が多いかもしれません。曹洞宗の教えでは、坐禅を行うこと・また日々の生活そのものを修行とし、その積み重ねで浄土を目指すとされています。西方浄土を他に求めるのでは無く「今この時・自分自身」に感じていけるよう、阿弥陀さまに手を合わせたいですね。

どの仏様にも様々なストーリーがあります。もしお寺の由来や仏さまについて詳しく知りたくなりましたら、ぜひ住職にもお声がけください。

参考サイト

https://www.sotozen-net.or.jp/

https://omajinai-navi.jp/amidanyorai-mantra/

katsukikoyasan-shiunji.jp

http://jodoshuzensho.jp/daijiten/index.php/%E9%98%BF%E5%BC%A5%E9%99%80%E4%BB%8F