【こども禅のつどい2023 7月29~30日・1泊2日にて開催】

コロナ禍前には、自元寺護持会青壮年部のご協力のもと、1日だった禅のつどいを1泊2日にして開催していました。

昨年は1日開催でしたが、本年より再開いたします!7月29日~30日となります。

青壮年部、地域の皆さまのご助力は元より、みんなのテラコヤに携わってくれているNPOインターン学生の力も加わり、充実したものになると思います。

 

 

坐禅や写仏もありますが、森の中での自由時間や自分たちで考えて動いてみる時間も予定しております。 

 

また2日目の昼は懇親バーベキューです。

楽しみながら、子どもたちのこと、地域のことを肩ひじ張らずに語り合える場になれば、よきコミュニティーづくりが出来れば幸いです。 

 

7月最後の土日は、お寺で過ごしてみませんか?

 

多くの方のご参加、お待ちしております!

日時 令和5年7月29日(土)9時から翌30日(日)15時まで

※1日目、2日目のみの参加も可能です。

※送迎の都合など、時間に合わせてお預かりできますのでご相談下さい。

場所 自元寺本堂(宿泊場所は男女別になります)

連絡先 電話:0551-35-2245(FAX兼用) 携帯:090-8846-3033(山﨑)

     e-mail:jigenji1570@outlook.jp

    申込フォーム https://forms.gle/MtQkZUZzpZKzQCzs6 

対象 小中学生 及び 保護者の方        

持ち物 タオルケット、筆記用具、着替え、洗面用具(お風呂に入れるもの)

服装 運動のできる服、体操服等ゆったりした服(スカート不可)

参加費 1人1,500円(傷害保険、入浴料含む)

※親子BBQ参加費は別途(大人3,000円・こども500円・未就学児無料)

申し込み 申込フォームもしくは用紙へ必要事項を記入の上、自元寺へお申し込み下さい。(FAX可)

締め切り 7月21日(金)まで (定員20名)

こども禅の集い 日程表
9:00~9:15受付・集合5:30~5:50起床・洗面
9:15~9:30開講式5:50~6:10坐禅
 9:30~10:15散策6:10~6:30朝のおつとめ
10:30~11:00坐禅6:30~6:45ラジオ体操
11:10~12:00お楽しみ学習①6:50~7:30朝食(玄米のおかゆ)
12:00~13:00昼食(カレー)7:30~8:00作務(外掃除)
13:00~14:00写仏8:00~8:45休憩・自由時間
14:10~15:40ほうとう作り体験8:45~9:30お楽しみ学習②
15:45~16:10片付け・掃除9:40~10:40お楽しみ学習③
16:15~17:45お風呂10:40~11:15感想文
18:00~18:45夕食(ほうとう)11:15~11:45掃除
19:00~19:30坐禅11:45~12:10閉講式
19:40~20:50花火(予定)12:15~15:00親子BBQ
21:00~布団敷き・就寝15:00~片付け・解散

※就寝時は、座布団を布団として使用します。布団・寝袋等の持参も可能です。

※貴重品などは持たせないで下さい。

※親子BBQ参加の場合は、備考欄、申込フォームに参加人数をご記入下さい。

※参加費は、申込時もしくは参加当日にお持ち下さい。

ご不明な点がありましたら、自元寺・山﨑までお問い合わせ下さい。

降誕会・大般若会ご祈祷無事に終了いたしました!

先般ご案内の当山恒例・花祭り(仏誕会)・大般若会祈祷を、昨年同様、僧侶は六名と少人数ではありましたが、檀信徒の皆さまにはコロナ禍前の形で、昼食をお出しする形をとらせていただきました。

拙い住職の話ではありましたが、四十名のご参加の元、何とか終えることが出来、人の集うことの大切さを感じる法要となりました。

臨床宗教師についてのお話と参加者皆さんで、「死」ついて語り合いました。

降誕会では慶讃の法要の後、皆さまにも誕生佛さまに、甘茶かけをしていただきました。

仏教では人間は孤独だと説きます。あらゆる絆から切り離されて死に際しても一人、生きている間もずっと、天涯孤独であり、愛も絆も幻想に過ぎない。それを諦めなさい、と説いています。

一方で、因縁説を唱えるのもまた仏教です。絶対的なものはなく、縁によって私たちは「生かされている」というお示しです。

不安定な人の世に生きて、また死というものに直面しても、人間は孤独な存在ではなく、常に何かとつながっている。むしろこちらの方が、合点がいくという方が多いのではないでしょうか。

昨年度の講義で、人間は孤独であるが、孤独ではない、こんなお話を聞きながら、その時は禅問答のように感じていましたが、お線香の香りと仏花の満ちたお彼岸の境内で、皆さまの真摯に手を合わせる姿を拝見すると、私たち日本人は古来より、自然とそのどちらにも渡る広い視野をもって、歩んできたのでは、と考えるようになりました。

この法要で、皆さまがにこやかに過ごされている光景は、孤独にも、つながりにも偏ることない、中道をもって、「いま」を大切にされている姿勢そのもののように感じました。

また今回はご祈祷内容を希望の方には記入して頂く方式を取りましたが、いかがだったでしょうか。またご意見なども頂戴できますと幸いです。

皆さまのそれぞれの祈りを込めて、大般若会の法語をとなえる。
祖父(自元寺27世・先々代)出身の山梨市牧丘町より、ご住職・若月和道師とお弟子様・和信師。
左より、法類で長坂町・龍澤寺住職・古屋良彦師、龍澤寺の弟子で住職の弟・元道師、アメリカ人僧侶・樂禅師。道場を清める浄道場をつとめる。
和信師の祈祷太鼓は檀信徒のみなさまも絶賛されていました。

法要後は総代さま、青壮年部の皆さまと懇親会を行いました。

今年度よりは、総代さまはじめ、青壮年部や多くの志あるみなさまと、寺院行事を展開していきたく思います。

考えのまとまらないこのように未熟な住職ですが、今年一年、皆さまがお元気でご精進下さいますよう、気持ちを込めてお勤めいたしました。今後ともご指導賜りますようお願い申し上げます。

なお、古くなったお札はお越しの際やお会いする折などにお預け頂ければ、お焚き上げを致しますのでお申し付け下さい。

最後になりますが、写真撮影、提供いただきました溝口克己さまに御礼申し上げます。

令和五年四月吉日

      白砂山自元寺住職  山崎秀典 頓首

【庫裡内覧と精進料理の会】

1週間前の行事、遅れてのご報告になりますが、檀信徒・坐禅会・ヨーガ講座・茶道参加者対象とした内覧会と、精進料理ランチを行いました。

古屋賢仁実行委員長(建築部会長兼)のごあいさつ

11月25、26日と連日の開催でしたが、2日間のべ45名、精進料理も60名分(お見えになれなくなった方へお弁当をつくりました)とボリュームのある2日間でしたが、建築部会を中心とした総代さま、山内の皆で無事終えることが出来ました。

開基・馬場美濃守信房公についての講演上映

先般の小和田哲男先生ご講演は、初めてご覧になる方も、改めて見る方も、新たな気づきがあったようでした。

内覧では、限られた時間ではありましたが、建築部会にて何を描いて、進めてきたか、検討していただいたことが、具体的にどのように活かされたのかを感じて頂けたのではないかと思います。

内覧ののち、精進料理ランチは弟・元道がフル稼働してくれました。

〇1日目メニュー

馬鈴薯ゆかりご飯、野菜盛沢山でとった出汁の白菜とお揚げのお味噌汁、総代さん奥様手作りの漬物(ハヤト瓜)、里芋の唐揚げ、煮物(大根、人参、カボチャ)、ゴマ豆腐

〇2日目メニュー

馬鈴薯ゆかりご飯、野菜盛沢山でとった出汁の白菜とお揚げお味噌汁、総代さん奥様手作りの漬物(大根甘酢漬け)、里芋の唐揚げ、煮物(こんにゃく、椎茸、人参)、カボチャの黄粉和え、ゴマ豆腐

お米や馬鈴薯、白菜、大根、里芋、カボチャ、漬物と多くの食材は開催を知った檀家さん、縁者より頂いたものです。

お味噌汁のだしの美味しさにはとても驚かれたようで、何人もおかわりをしていただけたこと、とてもうれしかったです!

皆さまもお気持ちも相まって、とても贅沢な時間となりました。

お礼申し上げます。

伽藍の胸襟をひらく、そんなテーマで庫裡を設計、総代さん方、檀信徒のみなさまと共に作り上げてきました。

伽藍はできても、そこにどんな血肉が通うのか、これは一生かけて考え続けなければならないことだと思います。

でも決してひとりではなく、多くの方がいることを、今回の事業を通して実感しました。

当たり前のようだけど、縁ある人、おひとりおひとりのお声を聴き続けられる人間でありたいと思っています。

8月21日こども禅の集いを開催しました 

8月21日、お子さんを対象にした「こども禅の集い」を予定通り開催いたしました。

3年ぶりの禅の集い、当日は小学5年生から3歳まで10名の子ども達が参加。自元寺に子ども達の楽しそうな声の響く、よい一日となりました。

大人たちは、護持会青壮年部3名、保護者1名、樂禅師(アメリカ人僧侶)、自元寺山内から4名が参加いたしました。

大人も子供も楽しい夏の1日になりました。
まずは散策から。自元寺~白州小~花水の坂~湧水・わさび見学~赤坂~自元寺のコースで、1時間以上楽しみました。30度を超える暑い日でしたが、小さい子も皆よく頑張りましたね。

その後禅体験を行いました。10分の坐禅を2回、午前と午後にも行いました。お寺に来ることが初めてのお子さんも多い中、良く取り組めました。コツをつかめたのか、午後の坐禅体験では集中するのが上手になっていきましたね。写仏も皆真剣に取り組んでいました。

その後は、昼食づくりを行いました。メニューはみんな大好きなビーフカレー・ミニトマト・漬物・フルーツです。皆で楽しく食事を囲んだ後は、命を余さず頂く感謝の気持ちを込め、パンで食器をぬぐいました。

お楽しみのスイカ割りは大盛り上がり。皆たくさん食べましたね!合間には本堂で鬼ごっこなども。あんなにたくさん動いた後でも、スキマ時間で全力で遊ぶ子どもたちのパワーに大人たちは圧倒されっぱなしでした。

楽しいこともたくさん、真剣に取り組む時間もあり、メリハリのある時間になりました。

参加してくださった子どもの皆さん、お寺での楽しい思い出を持ち帰って、新学期も頑張ってくださいね。

さて、この催しは先代の住職が始めたもので、40年以上の歴史があります。今の形になったのは5年前です。
近年、少子化の影響で子どもの集まる機会が少しづつ少なくなっています。クラブ活動も制限され、さらにコロナが追い打ちをかけ、子どもたちが互いの家を行き来するということもかなり減っていると伝え聞いております。

そんな中、青壮年部の皆様と「子どもたちに何かできることはないか」と考えました。自元寺という、地域に根ざす寺院施設とコミュニティを活用しながら、子どもが主役の楽しい1日を企画してくださったのです。

青壮年部の皆様もお忙しい中、地域の子供たちのために手と目をかけてくださり本当にありがたく思います。

この土地で育つ子供たちが、地域の大人の温かさを感じられ、いつか次の世代にも、その温かさを繋いでいけたら嬉しいことだなと感じています。

夏休みはお寺ですごそう!小学生向け「こども禅のつどい」 

「こども禅のつどい」のお知らせです。自元寺では夏休み、小学生のみなさん向けの教室をします。

「お寺って何するところ?お経をよむんでしょ?」いえいえ、それだけではありません。

お寺は、子どもから大人まで、安心して話ができるところです。なやんだ時、心がざわざわするとき、どうすればやさしい気持ちになれるのかを教えてくれます。

「毎日が楽しい!」きみも、ぜひ来てください。お坊さんと一緒に、ちょっと特別な”修行”ができます。色々な友だちと会える夏休みイベント、あなたもきっと楽しくすごせますよ。

夏休みの自由研究が決まっていない人にもおすすめのイベントです。修行を自由研究にできるかもしれません。自元寺の住職、山崎秀典(しゅうてん)先生と一緒に、お寺での一日を体験しましょう。

【やること】

・坐禅(ざぜん)体験

修行の基本です。心と頭を落ち着かせます。心を落ち着かせるためのコツも教えます。

・写仏体験

仏さまを絵にかきます。うまい・へたはありません。

・スイカ割り

修行の後は皆で盛り上がろう!スイカ割りをします。

・掃除

掃除もお寺の大事な修行です。学校で掃除をするのは、寺子屋での修行がはじまりとも言われています。

その他も楽しいことをかんがえています。お友達もさそって、遊びに来てくださいね。申し込みが必要なので、お父さん、お母さんにお願いしてください。

【保護者の皆様へ】

8月21日(日)白州 自元寺にて「夏休みこども禅の集い」を開催いたします。
お寺を身近に感じてもらう、子どもが主役の催しです。子供向けとはいえ本格的。自元寺住職の指導の下、坐禅の基本、写仏、掃除などの修行を体験していただけます。
お寺の修行と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、あくまでも夏の楽しい一日を皆で過ごす企画です。
そして、禅の心のありようもお土産にお持ち帰りいただければ嬉しく思います。

子どもたちが楽しめる、スイカ割りやレクリエーションなどのお楽しみ企画もあり、自身も子育て中の住職が一緒に楽しみます。大人の参加も可能ですので、ぜひ親子でご参加ください。

【日程】

令和4年8月21日(日)午前9時~午後4時半まで

集合・受付    8:30~9:00

開講式      9:00~9:20

散策        9:20~10:20

坐禅       10:30~11:00

レクリエーション 11:10~12:00

昼食(カレー)  12:00~13:00

坐禅・写仏    13:00~14:50

スイカ割り    15:00~15:45

掃除       15:45~16:10

閉講式      16:15~16:30

※保護者の方の仕事等、ご都合に合わせてお預かりできますので、ご相談下さい。

【詳細】

場所 自元寺本堂

連絡先 電話:0551-35-2245(FAX兼用) 携帯:090-8846-3033(山﨑)

対象 小学生 及び 保護者の方        

持ち物 タオル、筆記用具、宿題、着替え、飲み物

服装 運動のできる服、ジャージ・体操服等ゆったりした服

参加費 500円(一人当たり・傷害保険料含む)

申し込み 申込用紙へ必要事項を記入の上、自元寺へお申し込み下さい。(FAX可)

締め切り 7月21日(金)まで (定員30名)

皆様のお申込みをお待ちしております。

実行委員会、内覧研修会を開催いたしました 

令和4年5月24日、落慶記念事業実行委員会、第7回目の会議を開催しました
内容は6月12日に開催される、記念式典と落慶法要に向けての準備です。当日の受付や駐車場の諸準備、檀信徒はじめ、関係者へのお声掛け、実行委員会による清掃活動の分担など、多岐にわたる項目の確認を行いました。改めて、皆様のご尽力のもとにこの式典が行われることを実感致しました。

続いて行われましたのが庫裡の内覧です。
活用方法など、さまざまな意見が交わされました。自由度が高く使いやすくなった庫裏を実際にご覧いただき、皆様にも具体的な利用のイメージが膨らんだように感じました。
実行委員の皆様方は、職業もお立場も様々な背景をお持ちの方です。色々な視点から出されるご意見を伺うと、新しい活用方法などの発見もありました。やはり、色々な方の意見を伺うのは楽しいことですね。
新しくなった庫裏が多様な人と人とをゆるやかに繋げ、白州がより良い地域となれるように、このような関係性をより深めていきたいと強く願うとともに、そこに貢献できる寺院を皆さんと築いていきたいと念じます。

その後は精進料理をいただきながら、久しぶりの懇親を楽しみました。感染症予防に最大限に配慮し、距離を開けマスクをつけながらの会食です。感染症流行以前と比べると静かな時間となりましたが、皆様に食事をお楽しみいただけたようです。素材を活かす精進料理のおいしさとその背景にもふれ、充実した時間をお過ごしいただけました。

精進料理は住職の弟・元道師が調理いたしました。
おいしさはもちろんですが、季節のものを使い、材料を使いきれるような買い出し、献立と、精進料理の軸がぶれないように、時間をかけて準備を行いました。
精進料理とは、肉を使わない菜食主義の食事とは意味合いが少し異なります。特に曹洞宗では食事を修行の一つととらえ専門の役職を作るほどに重要視しているのです。
様々な決まりもありますが、重視されるのは「淡味」これはただ薄味に調理することではありません。素材の持ち味を最大限生かす味付けと、素材にふさわしい調理方法もそう呼ぶことがあります。
無理なく手に入る旬の素材を無駄のないよう使い切り、食べる相手のことを思いながら手間暇は惜しみません。今回の試食会のようなハレの日にはふさわしい献立を考えますが、派手に飾り立てることはしません。
そのように作られた今回の献立は、皆様に命そのままの味わいの豊かさと、命を頂く尊さを感じていただけたのではないでしょうか。

さて、6月12日の式典まで日が迫ってまいりました。万端準備を進めて参ります。参加申し込みが必要です。詳細はリンク先をご覧いただき、皆様奮ってご参加下さい!

参考 https://www.sotozen-net.or.jp/zen/cooking/taste

大施食会をお勤め致しました

去る9月20日、護持会主催・大施食会をお勤め致しました。法要後は総代会を開催し、本年も護持会総会は書面議決にて執り行いました。質疑応答のほか、延期されておりました、来年度開催予定の【開創450年・庫裡落慶記念式典】の日程なども話し合いました。

当日は寺院4名、総代様11名にご参列いただき、檀信徒はじめ皆さまの先祖の安寧をお祈り致しました。昨年と同様、方丈様も総代様も最少の人数で、ソーシャルディスタンスを十分にとった、マスク姿での法要です。静かで厳かな雰囲気の元、無事にご供養を終えることができました。

法要も、昨年からはこの方法が当たり前のようになり、様々なことを皆様にご協力いただいておりますが、つい2年前はそうではありませんでしたね。本堂に沢山の檀信徒の皆様にお集まりいただき、皆様と楽しく語らいながら過ごしたことを思うと、なんとも寂しい気持ちがわいてまいります。

静かな法要も厳粛な雰囲気で良いものですが、ご詠歌もなく、檀信徒の皆様と直接お会いできる機会も減っていることを本当に寂しく思います。人と人とが緩やかにあたたかく繋がれるよう、来年の庫裏の落成式典のころには、この状況が落ち着いて皆様と集えることを心より願っております。

【大施食会について】

今生きていることへの感謝を込めて行う「施食会」。餓鬼道に堕ちて苦しむ無縁仏様を供養する法要とされています。

仏教には六道と呼ばれる世界があり、そのうちの一つが餓鬼道です。必要以上に欲しがったり、自分一人だけが満足したりなど貪りの結果として、餓鬼道に堕ちるといわれています。施されたものだけは餓鬼道の亡者も口にすることができ、そうして施しの大切さを知り、仏法に目覚め、救われることを目指しています。

施食会にて読まれるお経は「甘露門」です。このお経には分かち合うことの尊さや大切さ、生きとし生けるすべての者が、心安らかにすごせるようにと願う仏さまの教えが説かれています。餓鬼道で苦しみ、供養をしてくれる人もいない者も、漏れなく救おうとする懐の深さ。失敗したとしても見捨てず、本人が自ら大切なことに気づいて這い上がれるように導く仏様の教えです。

現代ではSNSなどで少しでも身勝手なことをすると、正義の名のもとに立ち上がれなくなるくらいまで攻撃されることがあります。間違を正すことも大切かもしれませんが、決して見捨てず、本人が気づきそこから立ち上がれるよう手を貸すことも、また大切なことかもしれませんね。

秋のお彼岸のお知らせ

次第に暑さがしのぎやすくなってまいりました。日も段々と短くなり、夜に虫の声が響くのを聞くと秋がきたことを実感いたします。

2021年、秋のお彼岸のお墓参りについてお知らせいたします。今年のお彼岸は下記の日程です。

9月20日(月・祝):彼岸入り

9月23日(木・祝):彼岸の中日(=秋分の日)

9月26日(日):彼岸明け

お彼岸中、どの日にお参りいただいてもかまいません。まずご本尊様へお参りいただき、その後ご縁のあるお墓にお参り下さい。

20日には先祖供養法要・施食会を執り行います。今年の法要も感染症予防対策のため、総代様と少数の僧侶にて執り行わせていただきます。檀信徒の皆様にはご参加いただけませんが、皆様の幸せを願い、心をこめてお祈りいたします。

法要後、総代・役員様より各家に卒塔婆を配布させていただく予定です。

秋のお彼岸に心穏やかに手を合わせ、ご先祖様とのつながりと自分自身の在り方に思いをはせるきっかけになるよう願っております。

【お彼岸の話】

彼岸は一般的には「死後の世界」と表現されることが多いですが、仏教では少し意味合いが違います。

「彼岸(ひがん)」とは悟りの世界のこと。煩悩や欲望の多い「此岸(しがん)」の向こう側にある目指すべき場所です。昼と夜の長さが丁度同じになるこの日は、仏教の「中道」の精神に通じるものがあります。お彼岸のお参りは「自分自身のための修行」としての意味があるといわれています。

また、日が極楽浄土のある真西に沈むこの日は、浄土がこの世に最も近くなると言われています。偏ったりとらわれたりしない「中道」に近付けるよう、心の重荷を手放し、心静かに手を合わせる時間がもてますよう願っております。

ところで、お彼岸はもともとの仏教の教えにはない行事で、日本だけの習慣だそうです。

四季のある気候風土や、土着の太陽信仰と仏さまの教えが混ざりあい、日本人に広く受け入れられたといわれています。

こういった話を聞くと、仏教も含め宗教は守るべきことも多くありますが、様々な文化も否定せず受け入れる懐が広い部分があってよいのだなあと感じます。

秋は実りの季節、農家も夏に続いて忙しい時期になってまいります。何かと気ぜわしい折とは思いますが、ほんのひと時、ご先祖様に手を合わせ、穏やかな時間を過ごしていただけたらと思います。

参考:曹洞宗ネット

「彼岸会」https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/annual/higane

【後編】自元寺のルーツを解き明かす! 古の時代より続く信仰の歴史

開創450年記念誌部会の活動が素晴らしい成果に繋がりそうです。

現在曹洞宗である自元寺は以前は山岳信仰寺院で、さらに山深い場所にあったと伝えられております。歴史に埋もれてしまったその地が、記念誌部会の現地調査にて明らかとなったことを前回お伝えしました。

この情報を青壮年部と共有したところ、さらに古い歴史が明らかになりました。青壮年部会、南アルプスユネスコエコパーク 地域連絡会会長で総代でもある古屋賢仁さん、プロの登山家・花谷泰広さんの御力も借り、明らかになったその歴史をご報告致します。

果たして「自元寺」はどんな歴史を辿ってきた寺院だったのでしょうか?
古い地図や口伝、甲斐駒ヶ岳の山岳信仰などの調査結果をまとめました。

【自元寺のルーツ】

①参拝ルートと信仰について
・自元寺は、須玉の正覚寺、清泰寺と縁があった
・開山の祖・小尾権三郎は、横手駒ヶ岳神社から登り開山を果たした。
・信仰の経緯は、山岳信仰→真言宗→曹洞宗となり、山岳信仰時は太陽を、真言宗以降は阿弥陀如来を崇めている
・冬至の日没箇所が甲斐駒ヶ岳であるため、鎌倉以前から信仰の歴史がある可能性がある
・聖徳太子、蘇我入鹿、荻生徂徠、仏教伝来から、馬の産地、馬に関わる伝説も繋がりがある
・横手で地元の歴史研究をしているグループがあり、ルーツ解明につながるかもしれない
・縄文文化が栄えた地域であることも考慮したい

②正確な史跡の位置
・信州街道、鎌倉街道筋という可能性が濃厚
・先日調査を行った地域の付近は有力候補
・竹宇方面に石柱が残っており、甲斐駒ヶ岳への修験道との関わりが推察される

③資料等
・明治時代の絵地図も参考になる
・郷土史研究家の資料を元に、花谷さんが当時のルートを実際に歩き、石碑などを確認

上記はほんの一部です。ロマンあふれる話が盛りだくさんで、一同大いに盛り上がりました。

記念誌部会の活動が青壮年部をはじめ、古屋さん、花谷さん、さらには地域の郷土史研究会との協働につながり、古の歴史をひも解いていく現場に立ち会えていることを嬉しく思います。人と人とのつながりというのは、こんなに大きな力を産むものなのですね。

ここまでの調査は皆様のご協力あって実現できたことです。改めて感謝申し上げます。また、今後も花谷さんにご協力頂けるとのこと。ご尽力に感謝し調査・打合せを続けます。続報を楽しみにお待ちください

【花谷泰広さんのご紹介】
北杜市在住、北杜市ふるさと親善大使をつとめていらっしゃる登山家・花谷泰広さんは、1976年兵庫県生まれ。幼少から登山に親しみ、数々の名峰を踏破。2012年には、優れた登山家に贈られるピレオドール賞を受賞。2017年より甲斐駒ヶ岳黒戸尾根の七丈小屋を運営されるなど、北杜市でも幅広く活動されています。

【公式サイト】HANATANI.NET
https://www.hanatani.net/

【前編】ついに謎が明らかに!?自元寺450年の時を辿る歴史の旅

去る5月1日、山梨県立博物館開館15周年記念特別展「生誕500年 武田信玄の生涯」を記念誌部会に所属する総代さま4名と拝見してまりました。自元寺開基様であり、武田家家臣であった信房公への学びを深める為の来訪でした。

この来訪には「自元寺のルーツを辿る」という目的がありました。

自元寺は1843年に現在の地へ移転いたしました。それ以前は白須坊田にあり、1570年に馬場美濃守信房公によって建立されました。また、信房公が白須坊田に移転し建立される以前は真言宗の山岳信仰寺院だったといわれ、さらに山深い場所にあったと伝えられております。

ですが真言宗だったころの寺院は、現在ではどこにあったのか分からなくなっておりました。先代・28世秀道方丈がその地を訪ねたことまではわかっておりましたが、詳細な位置までは記録に残っておりませんでした。先代住職に、言い伝えられていた場所を案内してくださった檀信徒の方も先日もお亡くなりになり、自元寺のルーツを辿る手がかりがほとんど無くなっていたのです。

何とか場所を探そうと模索しておりました。手がかりは、以前お寺があったとされる場所に残された『庫裡平(くりだいら)・堂平(どうだいら)・鐘撞堂(かねつきどう)』という地名。そして、地域を知る皆さまの記憶と記録でした。

総代さんがネットワークを駆使して下さり、たどり着いたのが「くりだいら」という土地でした。この地名は地図にはのっておりません。この地名を使っていたのは、何と地元の猟友会の方々でした。

猟友会では猟の事故がおきないよう、互いの場所を常に把握しておくため、無線で定期的に自分の位置を知らせます。その際、細かい場所まで音だけでわかるように、小字や俗称を使うことがあるそうです。猟をする人同士の口伝で、それもただ音でしか伝わらないため、その方も「庫裡平」ではなく、「栗平(栗の木がある平らな場所)」と思っていたそうです。

そして4月11日。猟友会の先導の元、総代・地元郷土史研究会・住職、総勢12名で訪ね「おそらく元はここにあったのだろう」と推察できる場所が、ついに見つかりました。断片的な情報が一つになり、歴史が明らかになった瞬間でした。

また、青壮年部にもこの情報を共有したところそれぞれが動いて下さり、地域の歴史やまたこの地に明るい方を紹介してくださり、さらに詳しい歴史がひも解かれていきました。

山岳信仰から連なる歴史、何と聖徳太子の時代からつながりがあったのかもしれないそうなのです。このことを教えてくださった登山家の「花谷泰広」氏との出会い、そこで分かったことなどは、次回に詳しくお伝えしていきたいと思います。

5月13日には記念誌部会の活動が行われました。皆さまの知恵・地域のつながりが素晴らしい結果につながったこの活動、これからも楽しみです。

次回「自元寺青壮年部と日本屈指の登山家との出会いが、隠された歴史を解き明かす!」