令和4年6月12日 庫裡 落慶法要のご案内 

令和4年6月12日、庫裏の耐震改修工事落慶法要を開催いたします。今回の法要と講演会は一般の皆様にもご参加いただけることになりました。馬場信房公にご関係のある方にもぜひご来山いただき、ご縁が結べましたら何よりの幸いです。申し込みが必要になりますので下記よりお申し込みください。

午前には、静岡大学名誉教授・小和田哲男先生のご講演をいただきます。先生は戦国時代研究の第一人者であり、開基・馬場信房公のご子孫でもあります。来山予定でしたが、コロナ禍も考慮し、自元寺に関してのご講演を録画したものを放映予定です。三代にわたり武田氏に仕えた負け知らずの武将の顔や、現代に生きる私たちにも参考になるエピソードを絡めてくださるとお聞きしております。歴史がお好きな方にもお聴きいただきたい講演です。

午後は庫裡落慶法要と、開基・馬場信房公の供養法要をお勤めいたします。

【庫裡耐震改修工事 落慶法要日程】

落慶法要(予定) 10時受付

10時半~        ご講演(DVD放映)

                             静岡大学名誉教授 小和田哲男先生・馬場信房公について

13時半~        落慶法要・開基供養法要

15時                解散

庫裡の耐震補強工事は設計を甲府市のNOA環境設計、施工を同市・株式会社てづかに依頼し、この計画が京都大学建築100周年記念コンペで「銀賞」を受賞いたしました。檀信徒の皆様、地域の皆様をはじめ多くの皆さまによって守られてきた寺院の法灯を、これからの時代に開いていくコンセプトが評価されたのです。

地域にあった形に柔軟に変化しながら、これからも歴史を重ねていく、自元寺のありようを表したかのような、素晴らしい形となりました。

この庫裏の耐震補強工事を行ったことで「地域に開かれた寺院」がよりはっきりと見えるようになりました。その落慶法要を皆様と直接お会いして行えることに大きな意義を感じております。

この2年、工夫を凝らして皆様との繋がりを模索し続けてまいりましたが、やはり対面での交流はまた格別です。安心して集える式典になりますよう、準備を整えて参ります。

【お問い合わせ・お申込み】

※申込される方は、メール・電話・FAXにてお名前・住所・連絡先・参加人数・弁当申込の有無・駐車が必要かをお伝えください。

担当総代   白砂 勇(090-9642-3942)

自元寺住所    北杜市白州町白須1364

電話     0551-35-2245(Fax兼)

HP     https://jigen-ji.jp/

メール      jigrnji1570@outlook.jp

【実行委員会・内覧研修会のお知らせ】

また、法要に先立ちまして、総代・実行委員会の皆さま向けの内覧研修を開催いたします。新しくなった庫裏をご覧いただき、その後精進料理をご試食いただく研修会です。

【実行委員会・内覧研修会 日程】

          令和4年5月24日(火) 15時~  会議

                                                    16時~  内覧会引き続き精進料理試食

                                                    18時  解散

後日、檀信徒の皆様向けの内覧研修会も開催予定です。こちらも予定が決まり次第お知らせいたします。

令和4年4月9日「大般若会法会・お花まつり」のご報告 

【大般若会法要・お花まつり】は、令和4年4月9日、午後1時30分から自元寺本堂にて厳修されました。

残念ではありますが、感染拡大を受け本年も規模を縮小し、僧侶7名と総代様、自元寺寺族関係者の参列のもと厳粛に行われました。法要のご祈祷のみ行い、法話・昼食会・梅花講・御詠歌は本年も中止致しましたが、滞りなく終了いたしました。

天候にも恵まれ暖かな1日となり、春の法要にふさわしい日でした。しかし、3年間にわたり檀家の皆様の参列が叶わなかったことは本当に残念です。

昨年と同様、町内檀家の皆様には大般若会のお札とホットケーキを総代様を通してお配りいたしました。大般若会法会は、「厄事災難を祓う・開運祈願」の法要です。一日も早く何事も心配せず皆様と集えるように、皆様の健康と幸せを心を込めてお祈りしたお札をお配りいたします。

また、ホットケーキには仏さまのお誕生日を祝う気持ちを込めました。「クリスマスのように、お花まつりも盛り上げよう」と若手の僧侶たちが始めた企画で、お子さんを中心になかなか好評です。近い将来「お花まつりの日には、みんなでホットケーキを食べる」ことが季節の行事になるかもしれませんね。ぜひホッと温かい気持ちで、甘茶と一緒にお召し上がりください。
6月12日には庫裏の落慶法要も予定されております。その際には皆様と集えますように、心から願っております。

さて、大般若会法要にご参加された経験のある方は、住職が緋色の衣を着ていることに気づかれたでしょうか。
「開運祈願の祈祷だから、明るい色を着ているのですか?」とおっしゃる方もおられますが、それは違います。修行を重ね、晋山結制を行うと緋色の衣を着ることが許されるようになるのです。緋色を着ることを許されるようになってようやく 「僧として一人前」とおっしゃる方もおり、この緋色の衣が正装なのです。洋装は黒の方が格式が高いとされていますから、面白い違いですね。

修行僧は基本「黒衣(こくえ)」
色の付いた衣「色衣(しきえ)」
赤い衣「緋衣(ひえ)」
赤い衣の袖や首のところが十二単のようになっている「緋恩衣」
黄色い衣「黄恩衣」
赤紫の「赤紫衣(せきしえ)」

曹洞宗ではこの順番で着用が許され、着ている人がどのような資格を持っているかが一目で分かります。

しかし法衣の色はあくまでも役割などを分かりやすくするもので、だれが偉いかという事を表すわけではないと言われています。言うまでもなく、仏さまの前では皆が平等、「仏さまの弟子」です。

庫裡落慶法要・自元寺開創450年の記念式典のお知らせ 

令和4年6月12日、自元寺開創450年の記念式典を執り行います。これらは令和2年に執り行う予定でしたが、思いもよらぬ感染症の広がりを受け、2年越しの開催となりました。当日は以下の3つを執り行わせていただきます。

①開創450年記念法要
②小和田哲男先生講演会
③庫裏耐震補強工事落慶式法要
会場 白砂山自元寺(北杜市白州町白須 1364)
【電話】0551-35-2245(FAX兼用)  【e-mail】jigenji1570@outlook.jp

詳しいタイムテーブルなど詳細は総代様と協議後、改めてお知らせをいたします。現段階では縮小開催ではなく、檀家の皆様にご参加いただけますように準備を進めております。コロナの状況に応じて規模や開催方法などは変更される可能性がありますが、皆様と今度こそは集まれるのではないかという期待を込めて、ご報告をいたしました。

【行事の詳細につきまして】

①開創450年記念法要
自元寺開創450周年の法要は、令和2年6月27日に総代様と寺院関係者のみで行いましたが、今回皆様にお集まりいただくにあたり、改めて法要を行う予定です。どのように行うか現在検討中ですので続報をお待ちください。

②小和田哲男先生講演会
小和田哲男先生は自元寺開基である馬場信房公のご子孫でいらっしゃいます。歴史学者である小和田先生は特に戦国時代史を研究されており、わかりやすい解説が人気で、NHK「歴史秘話ヒストリア」や「知恵泉」などにもご出演されました。歴史をなぞるだけでなく、史実を基に現代を生きる私たちへのアドバイスも寄せて下さる予定です。

③庫裏耐震補強工事落慶式法要
庫裏の耐震補強工事が無事終了いたしました。式典に合わせまして落慶式法要を行います。羽村祐毅さんに設計をいただき、今よりもさらに「地域の人が集まりやすく」「立ち寄りやすい」開かれた庫裏となりました。お寺らしい格式を保ったまま建物の補強も行いましたので、安心してお過ごしいただけます。ぜひ皆様にご覧いただきたいと思います。

この一大行事に向け、総代の皆様にも、青年部会の皆様にも、自元寺とご縁のある多くの方々からの大きなご尽力を頂いております。良い行事になりますよう皆様のお力添えをいただきながら準備を進めてまいります。

4月9日「大般若会法会・お花まつり」縮小開催のお知らせ

【大般若会法会・お花まつり 縮小開催について】
ここ最近の暖かさで、ここ白州にも一気に春が来たように感じられます。
さて、令和4年4月9日に予定しておりました「大般若会法会・お花まつり」は、本年も縮小開催させていただきます。

「大般若会祈祷会」は昨年に引き続き、総代様、寺院のみでご祈祷を執り行います。
ご祈祷致しましたお札は、白州町内は総代様・役員様にご配布いただく予定です。町外の檀信徒の皆さまには郵送にてお送り致します。
今年で縮小開催は3回目となります。今年こそはなんとか檀家の皆様に例年通りお集まりいただき、この季節ならではの華やかな行事で春を喜びあいたいと考えておりました。期限間際まで検討を重ねておりましたが、3月中旬を超えてもオミクロン株の収束が見えず、苦渋の決断となりました。

檀家の皆様、地域の皆様がこの一年健やかに過ごせますよう、また新型コロナウイルス感染症の早期終息をお札に記し、心を込めてご祈念いたします。

【花まつりのお話】
お花まつりがお釈迦様の誕生をお祝いしたものということは良く知られております。どの寺院でも共通しているのは、花で彩られた花御堂にお釈迦様の幼い日の姿をかたどった【誕生仏】を安置し、祈りを捧げながら甘茶をかける、というものです。

では、なぜお花を飾るのでしょうか?
それはお釈迦様が花畑でお生まれになったことが由来とされています。お釈迦様は、ネパール南部にある、ルンビニーという小さな村の花畑でお生まれになりました。ネパールの気候は亜熱帯、色とりどりの花が咲き乱れていたことでしょう。それに倣い、お堂を花で美しく飾るのです。飾り方にはこれといった決まりはなく、お堂の屋根に花を敷き詰めることもあれば、足元を花畑のように飾ることもあります。日本では春の花が飾られます。

甘茶をかけるのは、龍が天から降らせた甘露を、お釈迦様の産湯に使ったという伝説になぞらえたといわれています。中国では「優れた王のもとには龍が現れ甘露を降らせる」という言い伝えがあり、これはお釈迦様の徳の高さを表したエピソードとされています。

日本では仏教を日本の習慣に馴染むように工夫してきた歴史がありますが、仏教を根付かせるため中国でも、もとからあった故事や習慣などを取り入れたのですね。仏教が伝わった経路が見える、興味深い伝説だと思います。

さて、そのお花まつりには欠かせない甘茶。自元寺では、境内で採れたものを使います。漢方薬の一種でもあります。機会がありましたら、自元寺製の甘茶、ぜひ味わっていただきたいです。

自元寺と共に生きた祖母 山崎彌生の話

住職の祖母、山崎彌生は昨夏より体調が悪化し療養しておりましたが、令和3年10月8日に93歳で逝去しました。葬儀は住職の祖父・正道方丈の意向を第一として、葬儀委員会で10月7日の通夜、8日の葬儀に1周忌法要と合わせてお勤めをいたす運びとなりました。

激動の昭和、平成、そして令和の三時代を生き抜いた女性。その人生に少し触れさせていただきます。

祖母は、お隣長野県・松本市浅間温泉にあった造り酒屋で産まれ、家族と共に朝鮮半島にわたり、そこで育ちました。曾祖父には商才があり成功をおさめ、祖母も不自由のない生活を送ったと伝え聞いております。ほどなく終戦となり、祖母家族は日本に帰って来ました。当時、外地で築いた財産は国に預けなくてはならず、帰国後の生活にはかなり苦労したそうです。

その後、伯父である自元寺26世・秀雄方丈の願いで17歳で自元寺へ。縁あってのちの27世となる正道方丈と結婚し、戦後の厳しい時期を乗り越えてきました。曾祖父の才能は祖母にも受け継がれたようで、自らの子育ての傍ら、保育園も運営しました。子どもを預ける場所も少なかった時代です。私利のためではなく、地域のための園でした。その後も白州町立白州保育所に定年まで勤務、園長もつとめ多くの子どもを送りだしました。

「やよいせんせい」を慕って、お寺に卒園生が訪ねてくることもあったようです。祖母にとっては大人になっても可愛い園児だったようで、父親世代の人も「〇〇ちゃん」と呼ばれ、呼ばれた方も戸惑いながらどこか嬉しそうにしている姿は微笑ましくもありました。

先々代住職と共に長きにわたり寺を守り、寺族としてもご立派に勤められました。代替わり後鳥原の福昌寺に入られてからも、自元寺の行事の際は足を運び御詠歌や総代さんたちの接待などもこなし、田畑にも精を出し、地域の皆さまとも親しく過ごしておりました。情に厚く涙もろく、周りの人々とのご縁を大切にする祖母は、まさしく「お寺のお母さん」そのものです。

戒名は、彌生院自研明覺禅尼(みしょういんじけんみょうがくぜんに)です。

「自研明覺」は永平寺の禅師さまから授かったものです。自元寺と子どもたちを守り育ててきたこと、寺族としてのあり方への教示、それらの願いを込めてお贈りくださったものだと思います。

院号「彌生院、禅尼」は夫である祖父が送ったものです。自元寺のご本尊・阿弥陀さまのご加護を願い、また今を生きる私たちを見守ってほしいとの思いを込めて追贈したのでは、と考えております。祖母の生き様を表したかのような戒名であると感じております。

激動の昭和から三つの時代を駆け抜けた祖母の人生は決して平坦なものではなかったはずです。その時代時代を真摯に生きぬいた祖母が、過去から大切に繋いでくれたご縁を、丁寧に次の世代につないで参ります。

水子供養、ペット供養、遺品や気になるものなど各種供養をお受けします

自元寺では様々なご供養を行っております。

「水子供養」「ペット供養」のほか、「遺品のご供養」「大切にされていたもののお焚き上げ」などもお受けしております。

【水子供養について】

子どもをなくすということは、人の最も大きな悲しみの一つです。普段は何事もなかったかのように生活ができていても、長い人生のふとした瞬間に思い出されることもあるでしょう。自分だけでその苦しみを抱え込んでいませんか。様々な理由で、お住いの地区でのご供養が難しい方もご相談ください。

他の方とお会いすることがないように配慮いたします。また、遠方であったり人との接触を控えたい方にはオンラインでのご供養も行っております。

「供養をする」ということは、無理やり辛さを手放すことではありません。供養という方法を通じて、自分の中の苦しみや悲しみと向き合いながら、ともに歩んでいく節目とするためにもあります。仏教は長い年月悲しみや苦しみと向き合う方法を考え続けてきました。あなたのその気持ちに寄り添い、あなたらしい心のありようになれるよう、お手伝いを致します。

【ペット供養について】

ペットを愛玩のためではなく、家族の一員として迎えられる方も多いでしょう。ペットをなくす悲しみは、その愛が深いほど同じように深くなる事だと思います。

人生のひと時、一緒に過ごしてきたペットが安心して虹の橋に旅立てるように。飼い主さんがこれからの人生を前を向いて過ごせるようにそのお手伝いをさせて下さい。自元寺にはペット用の墓地はありませんが、心を込めてご供養いたします。ご火葬後にお越しください。

【遺品や気になるもののご供養について】

どんなものでも、大切にされてきたものには想いがこもっているように感じる方も多いことでしょう。自元寺ではこめられた想いや歴史を大切にしながら遺品供養を行います。

お位牌、紙のお戒名、仏具やお軸など、どのように扱ったらよいかわからないものがありましたらお気軽にご相談下さい。

自元寺でお魂抜きご供養ののち、「お預かり」「お焚き上げ」「業者引き取り」などそれぞれに一番適した方法で、最後まで大切に「いのち」を見届けさせていただきます。

想い出の品、遺品、気になるもののやお焚き上げもお勤めいたします

また、よくお問い合わせをいただきます「卒塔婆」につきましては、春頃、境内に卒塔婆ご供養専用の場所を設けますので、そちらに置いてくださるようお願いいたします。

仏教には執着(しゅうじゃく)という言葉があります。とらわれることが苦しみを産むと考えられているのです。何かにとらわれていると感じたとき、その辛さを軽くするためにご供養という選択肢もお考え下さい。

令和4年「開山忌法要」と「年初のお寺参り」のご報告

令和4年1月5日に開山忌を執り行いました。そのご報告をいたします。

開山忌とは、自元寺を開山された端叟淳的(たんそうじゅんてき)大和尚様のご供養を行う法要です。

毎年行われる法要ですが、新年の冷たい空気の中、年頭にご開山様にお焼香が出来るのはありがたい事と感じております。1年の始まりの風物詩です。

午前11時より、自元寺本堂にて僧侶7名、総代様、自元寺家族の参列をいただき厳粛な雰囲気の中行われました。昨年と同様、新年会の宴席は中止とさせていただきました。昨年末は明るい光が見え始めたと感じ、今年こそは皆様と過ごせるかと期待しておりましたので本当に残念です。

 今年も、開山様の423回忌を迎えることができました。

古くは戦国時代からこの令和の時代まで、代々の住職が同じように祈ってきたことを想い、歴史を積み重ねていくことの重みを感じる法要でもあります。今年も一年一年を実直に、皆様に支えられながら積み重ねて参ります。

また、15日には年頭のお寺参りも執り行いました。

本年も、「位牌堂でのお参り」「ご祈祷札をお配り」するのみとさせていただきました。位牌堂でのお参りは通常の形とは違いますが、それぞれのご家族ごとに「ご先祖様とゆっくり向き合える時間が取れる」とありがたいご意見も頂戴しております。

もちろん感染症予防対策は第一に考えますが、可能な範囲で少しずつ工夫して皆様が心安らげる時間になった事に安堵しております。またご感想なども頂戴できればと思います。

今年も皆様と共に、地域に開かれたお寺として一歩ずつ進んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

余談ですが、同じころ、地域での成人式も行われました。昨年は延期され大型連休に実施されたそうですが、今年は感染症の検査をすることで例年通りの1月に行えたそうです。成人式は一人前と世間にも認められる大切な節目。晴れ着姿の嬉しそうな若者たちが何ともまぶしく、この大変な時代でも大きく羽ばたいてほしいと願います。

さて、曹洞宗では10歳から仏門に入ることができます。しかし一人前と認められるのにはそれからいくつもの段階や修行を経る必要があります。僧侶というと黒い衣を着ているイメージがあると思いますが、修行の段階によって着られる着物の色が変わっていき、ある段階に入ると緋色の着物を着ることが許されるようになるのです。この段階になって初めて”一人前と認められた”とおっしゃる方もいらっしゃいます。

少々強引かもしれませんが、成人式の晴れ着もただ華やかなだけでなく、一人前となることへの覚悟や、それまで歩んできたことを皆にみせるという意味があるかもしれませんね。

大施食会をお勤め致しました

去る9月20日、護持会主催・大施食会をお勤め致しました。法要後は総代会を開催し、本年も護持会総会は書面議決にて執り行いました。質疑応答のほか、延期されておりました、来年度開催予定の【開創450年・庫裡落慶記念式典】の日程なども話し合いました。

当日は寺院4名、総代様11名にご参列いただき、檀信徒はじめ皆さまの先祖の安寧をお祈り致しました。昨年と同様、方丈様も総代様も最少の人数で、ソーシャルディスタンスを十分にとった、マスク姿での法要です。静かで厳かな雰囲気の元、無事にご供養を終えることができました。

法要も、昨年からはこの方法が当たり前のようになり、様々なことを皆様にご協力いただいておりますが、つい2年前はそうではありませんでしたね。本堂に沢山の檀信徒の皆様にお集まりいただき、皆様と楽しく語らいながら過ごしたことを思うと、なんとも寂しい気持ちがわいてまいります。

静かな法要も厳粛な雰囲気で良いものですが、ご詠歌もなく、檀信徒の皆様と直接お会いできる機会も減っていることを本当に寂しく思います。人と人とが緩やかにあたたかく繋がれるよう、来年の庫裏の落成式典のころには、この状況が落ち着いて皆様と集えることを心より願っております。

【大施食会について】

今生きていることへの感謝を込めて行う「施食会」。餓鬼道に堕ちて苦しむ無縁仏様を供養する法要とされています。

仏教には六道と呼ばれる世界があり、そのうちの一つが餓鬼道です。必要以上に欲しがったり、自分一人だけが満足したりなど貪りの結果として、餓鬼道に堕ちるといわれています。施されたものだけは餓鬼道の亡者も口にすることができ、そうして施しの大切さを知り、仏法に目覚め、救われることを目指しています。

施食会にて読まれるお経は「甘露門」です。このお経には分かち合うことの尊さや大切さ、生きとし生けるすべての者が、心安らかにすごせるようにと願う仏さまの教えが説かれています。餓鬼道で苦しみ、供養をしてくれる人もいない者も、漏れなく救おうとする懐の深さ。失敗したとしても見捨てず、本人が自ら大切なことに気づいて這い上がれるように導く仏様の教えです。

現代ではSNSなどで少しでも身勝手なことをすると、正義の名のもとに立ち上がれなくなるくらいまで攻撃されることがあります。間違を正すことも大切かもしれませんが、決して見捨てず、本人が気づきそこから立ち上がれるよう手を貸すことも、また大切なことかもしれませんね。

秋のお彼岸のお知らせ

次第に暑さがしのぎやすくなってまいりました。日も段々と短くなり、夜に虫の声が響くのを聞くと秋がきたことを実感いたします。

2021年、秋のお彼岸のお墓参りについてお知らせいたします。今年のお彼岸は下記の日程です。

9月20日(月・祝):彼岸入り

9月23日(木・祝):彼岸の中日(=秋分の日)

9月26日(日):彼岸明け

お彼岸中、どの日にお参りいただいてもかまいません。まずご本尊様へお参りいただき、その後ご縁のあるお墓にお参り下さい。

20日には先祖供養法要・施食会を執り行います。今年の法要も感染症予防対策のため、総代様と少数の僧侶にて執り行わせていただきます。檀信徒の皆様にはご参加いただけませんが、皆様の幸せを願い、心をこめてお祈りいたします。

法要後、総代・役員様より各家に卒塔婆を配布させていただく予定です。

秋のお彼岸に心穏やかに手を合わせ、ご先祖様とのつながりと自分自身の在り方に思いをはせるきっかけになるよう願っております。

【お彼岸の話】

彼岸は一般的には「死後の世界」と表現されることが多いですが、仏教では少し意味合いが違います。

「彼岸(ひがん)」とは悟りの世界のこと。煩悩や欲望の多い「此岸(しがん)」の向こう側にある目指すべき場所です。昼と夜の長さが丁度同じになるこの日は、仏教の「中道」の精神に通じるものがあります。お彼岸のお参りは「自分自身のための修行」としての意味があるといわれています。

また、日が極楽浄土のある真西に沈むこの日は、浄土がこの世に最も近くなると言われています。偏ったりとらわれたりしない「中道」に近付けるよう、心の重荷を手放し、心静かに手を合わせる時間がもてますよう願っております。

ところで、お彼岸はもともとの仏教の教えにはない行事で、日本だけの習慣だそうです。

四季のある気候風土や、土着の太陽信仰と仏さまの教えが混ざりあい、日本人に広く受け入れられたといわれています。

こういった話を聞くと、仏教も含め宗教は守るべきことも多くありますが、様々な文化も否定せず受け入れる懐が広い部分があってよいのだなあと感じます。

秋は実りの季節、農家も夏に続いて忙しい時期になってまいります。何かと気ぜわしい折とは思いますが、ほんのひと時、ご先祖様に手を合わせ、穏やかな時間を過ごしていただけたらと思います。

参考:曹洞宗ネット

「彼岸会」https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/annual/higane

8月【山梨県内】お盆 棚経のお知らせ

灼けつくような季節になってまいりました。日本勢が最多のメダルを獲得したオリンピックが閉会式を迎える一方で、コロナが再び猛威をふるい、なんとも心が落ち着かない夏となりました。

北杜市近隣、山梨県内の檀家の皆様へ令和3年 お盆の棚経のお知らせです。

8月11日 白須上地区(坂上より坂下へ)

  12日 白須下地区前半(一組方面より)

  13日 甲府・韮崎方面

白須下地区(午後明野・公案寺様担当は例年通り)

  14日 竹宇地区 (白須より上へ)

  15日 前沢(朝、一組より)・新盆(午後より)

  16日 お寺参り・予備日

以上の日程で棚経に参ります。

13日以前 精霊棚は飾らなくても結構です。例年通り、13~16日の期間にて棚をお祀り下さい。

感染症予防の観点から、お茶などの接待はご遠慮させて頂きます。

弟・元道も、師匠にあたる長坂町・龍澤寺様より暇を頂ければ共にお勤めさせて頂きます。

不明点・都合の悪い場合、変更等は、810までに自元寺にお知らせ下さい。

℡ 0551-35-2245(自元寺:山崎)


昨年と同様、新型コロナウイルスの影響を鑑みて、各家の意向を第一にご供養がお勤めできればと考えております。

原則左記日程にて参上させて頂く予定ですが、今年は訪問せずに位牌堂での読経を希望する方は,お寺までご一報下さい。ご先祖さまに向き合えるよきお盆のときとなるよう、ともに手を合わせ、ご供養できれば幸いです。


◇お盆の棚に飾る「精霊馬」の話

お盆に「精霊棚」をお祀りするご家庭も多いことと思います。

「精霊棚」へお祀りする、ナスやキュウリの「精霊馬」 由来を聞いたことはありますか?

ナスやキュウリを牛や馬に見立て、箸や楊枝で四つ足をつけて飾ります。これはご先祖様があの世から現世に戻るときの乗り物だといわれています。

地域によって差はありますが、ご先祖様が早く来てほしい迎え盆は「キュウリの馬」で、お供えをたくさん載せてゆっくり帰ってほしい送り盆は「ナスの牛」に乗ってもらうので、両方をお供えするともいわれています。

遠い昔、旧暦のお盆直前は前年の備蓄食料も底をつくころで、さらに作物がとれにくい端境期でした。食品を保存する手段が少なかった時代は、ひもじい思いをした人も多かったことでしょう。その後夏の収穫の時期を迎え、皆でご馳走を囲むお盆はきっと喜びにあふれたものだったのでしょう。

最近では精霊馬アートといって、夏野菜を使って彫刻をしたり、乗り物を作ったりと、凝った精霊馬を作る人もいるようです。人の発想力に思わず感心してしまいます。

なお、仏さまの教えには精霊馬にあたるものは見あたりませんでした。ですが、祖先をもてなすために心を尽くす、日本らしい習慣といえますね。

さて、今年のお盆も皆で集まることは難しそうですが、各々自分のルーツに思いをはせ手を合わせられることを祈っております。

参考
https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/annual/urabone