表千家同門会 山梨県支部主催の茶会を開催いたしました

12月4日(日)、表千家同門会山梨県支部主催の茶会が庫裏にて開催されました。

当日は、表千家の同門、150名近い方がお越し下さいました。

茶道に携わる方の身のこなしの美しさ、対応のやわらかさ、動きの無駄のなさに感服し、おもてなしの究極の形を目の当たりにした気持ちです。また、茶道に関する書、華、書、お香、仏教への造詣の深さも素晴らしく感じました。特に襖にある先代の遺墨にも触れてくださったこと、感無量です。

感激したのが、最後のおそうじ(畳を拭き上げて下さっていました)まで、細やかにお心遣いいただいたことです。茶道に携わる方々の、謙虚さやご配慮に頭が下がるのと同時に、永平寺での修行の初心を思い出し、背筋が伸びる思いがしております。

このような大きな茶会は、自元寺でも初めての試みでありました。寺院側も不慣れで不手際があったことや、子どもたちの声が響いてしまった事など、心苦しく感じておりました。しかし「道」を歩まれる皆様の寛容さに包み込んでいただき、素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。再びのご縁がございますことを、心より願っております。

本当に素晴らしい茶会でしたので、またの機会がありましたら、ぜひとも檀信徒の皆様にも茶席にご参加いただけるような体制を整えられたらと感じました。

今回ご縁をいただきました、表千家同門会 山梨県支部の皆様に心より感謝を申し上げます。

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ここ自元寺でも、檀信徒の皆様と地域の皆様向けに茶会を催しております。

茶道と禅宗の組み合わせを、意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は、現在広く知られる茶道の成り立ちに、禅宗が深くかかわっています。

戦国時代、大名たちの間で茶の湯が大流行しました。始めは豪華絢爛、パーティーのような茶会が催されていましたが、それに異を唱えた千利休によって、精神性を重んじた茶の形式「わび茶」が完成しました。

利休は、曹洞宗と同じ禅宗である臨済宗寺院での修行を経て、わび茶を完成させました。無駄や虚飾を省き、深い精神性を重んじる事で、茶を通して、悟りの一つの形に至ろうとしたのだそうです。『茶禅一味(ちゃぜんいちみ)』という言葉も残しています。

たゆまぬ稽古(お点前)を重ねることで無我の境地に至ろうとするのは、日々修行を重ねる禅宗の考えと共通するものです。長い年月のなか受け継がれ磨き抜かれてきた所作はひたすら美しく、初めて見る人にも感動を与えます。

道を究めようとする方々の美しさは、目的への深い理解と日々の積み重ねがあってこそなのだなと感じられた一日となりました。

参考

https://www.sankei.com/article/20220903-P37FVBWCNRPYNBJURQDVW5WWNQ/

https://shop.senchado.jp/blogs/ocha/20210608_256